お話の、再開(その3)

ところが、そのあと、(あらためて理由を確かめたりはせぬままに、今年の春には母も亡くなってしまったから
どんな意味でそうされたのかは、もう、いまとなってはわからないのだけれど、)

高校に入ったとたん 今まで以上に、あれもこれもと生活のすべてを制約され、自分の事のはずなのに、いろいろと考えたり選んだりする勝手が以前よりもっと許されなくなり、

そのうち、家にいても…、
あるいは
学校に通うために乗っている『琴電』の電車が…降りる駅に近づき始めても、

なんだか急に変な吐き気がしてきたり、頭ががんがんしてきたり、ムチャクチャな眠気が授業中や、自宅での学習中に始まって、
いきなり気づいたら眠ってしまっていたりして、

さっぱり勉強の時間が
自分ではとれなくなって
だんだん授業で先生のいっている内容もチンプンカンプンになっていってしまったのでした。

小学校でも中学校でも
こんなことは起きたことがなかったので
女の子は、びっくりして、

クラスの担任の先生に

『全然勉強がわかってないので、すみませんが留年させてください。』

と申し出たのですが、
べつに出席日数が不足している訳でも身体に病気やケガがあったわけでもないものだから、

『そんな前例もないし、だいたい、そういう事を申請するシステムそのものがないのでね、変な事を考えないで、みんなと一緒に二年生になっときなさい。

うちの学校に来れるくらいの頭してるひとには

二年の勉強しながら一年の復習することなんて、軽いですよ。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。

なんというかねぇ、要するに気にしすぎなんだな。そう気にしないで、ね?
そうしなさい。じゃあ、そういうことで。』

といわれて、それで終わってしまったのでした。

その実、女の子は
なりたかった『獣医さん』になるのなら二年生に上がる時点で『理系』を選ばないとならないのに、
数学も化学もボロボロの点数。

父親には
『もうええわ。お前を見よるとほんまにイライラする。

前々から思ってはいたが、お前の頭はほんまにトロイ。お前は文系じゃ。文系にしとけ。

(文系選択の皆さん、ごめんなさい!)』

といわれ、勝手に
『2年生次の選択・文系を希望』に大きく丸と書かれた書類を

『提出の際に、反抗して書き換える。あるいはすり替える!!』というようなカンタンな方法にさえ、その頃は思いつかずに、
蒼白になりながら、そのまま従順に学校側に提出してしまい…

その春休みに発作的に
荷物をくくるナイロン(?)の
白いひもで
首をくくってはみたものの

ド素人と科学的知識の少ない
悲しさで
すんでのところで
ひもが切れてしまい…。

そのまま誰にも知られずに

『なーんにもおもしろくもおかしくもないよなぁ〜、
わたしなにやってんだろ〜
なぁ。もう、わかんないや。』

な、高校2年生のかっちゃんが しかたなく
高松高校に通って
木製のギィギィ鳴る年代物の廊下を 歩いて毎日を過ごしていたら…

の5月のお父さんやほかの皆さんとの出会いのあと、

時は9月・文化祭の準備中です…。そう、そのあたりのちょっとしたエピソードについては。

5年前の小学生だった
わたし・カノンに
バトンタッチしてしゃべらせることに いたしましょう!