数珠つながりの…謎解きは観察のあとで!。

cat-work2302015-10-12

大きな世界でも小さな世界でも。もしかしたら実は仕組みって同じなのかもしれない。

自分のまわりの世界が変わってゆくときって、

なあんか、いろんなひとやもの事全部が、それこそ
『数珠つながりにつながって』起きてゆくんじやないかって気がするんだ。

ほんの少し前まで
お互い、顔も名前も知らなかったはずの

生徒会室のひと達。

わたしのまわりのひと達がわたしだけじゃなく、
お互いを知ってゆく。
わたしはだれかを
だれかはわたしを見てた。

『生徒会室に、なんか今度新入りした女子がおるんやけどな。 じつはその子な〜、あの……がさ… ごにょごにょ……ということらしいんやけどな、あれは、

そばで見とってもなぁ〜、な〜んてゆうか、
あれはいかんで〜、
どうにも脈がないで。』
という事になり…。

そんな中から

m脇よ、お前は結構いいやつなのに、なんだかこれではいかんでないか。
こんな風に
みんなにからかわれて、
笑われてるのでは、いかんぞ。

お前、絶対いかんぞ。だいたい男としてや、このままはどうなんや?!。

うーん、よし、こうなったら俺が、なんとかしてやろ。なんとかしてあの子に口きいてやろ!

…と思ったK君がやってくる。

『どうして、君、m脇にそうつれないんかなぁ〜?』

どうしてって、あんなの迷惑。わたしは生徒会に仕事しにきてるのよ。仕事ちゃんとしたいんです。

それにうちの家は恋愛禁止。

(それでなくても、わたしには他県にだけど、ずっと好きだったひとがいるんだもの…!

とっくの昔に忘れたふりしてるけど、ほんとは忘れたりなんかしてやしない…!

お母さんに知れたら怒られるだけだから内緒にしてるけどね!。)

ほんとにほんとに、あのひとの行動、迷惑。

わたしが、欲しいとしたら、それはただの…、
だけどほんとの『友達』なんだ…。

(逆に聞きたいよ。

ただの知り合い、友達になるのをすっとばし、

初めて会った日は
ひとのことを借りっぱなし泥棒扱いの上から目線。
あとは会ってもみっじかい
『あ、こんにちは』
『あ、え?、あ、うん…』
みたいな会話して三回目

いきなり

『ぼくたちさあ、付き合うことにしない?
割れ鍋に綴じ蓋でいいじゃん?』

まったく。いったい
なんの主張してくれてんの?、あの理学部の御仁は?! えぇ?!

まったく
こっちはそれどころじゃないの。
個人的にはひとりで潜伏レジスタンスの始まり真っ最中なんだよ!戦闘態勢中なんだぜ。

しかも、わたしは他の女子に頼まれて、恋の情報収集の、スパイとしても行動中の身なんだぜ、ルパン三世〜っと。

つまるところ
悪いがまったく相手にならんってもんだぜ……あ、しまった、また、「かつべぇ」出しちゃったや。いかん、いかん。気をつけなくちゃ!)


『ふぅ〜ん、なるほど。そういうことかぁ〜…。』

ええ、まあ、そういうことなんです…。

『ふ〜ん、そら仕方ないなあ。

ほな…、今日かぎりでこの話はもう止めることにするわ。』

『……………。』

『…そや。本の話でもしよ。君、よう本読んどるよなぁ、そこのそれ、
いま、君何の本読んどるん?』

『え?あ、これ?
これは…、モンゴメリーの「赤毛のアン」の続きの三作目。

アンが大学生になったところの…。』

『大学生〜?!

え。赤毛のアンて、小学生くらいの子やろ?
赤毛からかわれて、クラスの男子の頭に、石板投げ落としてバァーンってやったりした子の話やろ?』

『だ〜か〜ら〜、
その小学生が大きくなって大きな町の大学に行くところが書いてあるんです!

このあと、いろんなひとに出会って恋愛もするし悩むし、で、結婚もすることになるわけで…』

『へぇ〜、え、赤毛のアンて、そんな続きがあるんな?。いや、そうとは知らんかった、ちょ〜っとそれはなんか、興味ちゅうか、なんか面白そうやな。

なぁ、それ一冊貸してくれんかな。ちょ〜っと試しにな、少し読んでみるわ。』

『え〜?!』

『え〜って、この本、男が読んだらいかんなんて、べつに書いとらんやろ?

べつにええやんか。

ちょっと読んでみて、面白かったらまた感想とかゆうけん…また話しようで。

ほなな、これ、借りとくで〜。さいなら〜!』

…まあ、こんな感じだったかと思うな。

そうか〜、

「特定のひと」なんかいらない…か。それより
きみは『友達』が欲しいひとなんやな…。

そやな〜、それはそれでええやんか。

ほな、知り合いやのうて。僕ら、いまから友達になろ。


…なんだか
そう言われたような気がした。

ムカッときたあまり
言わなくってもいいこと つい話してしまった気もしたけれど、

話してしまったらスッキリしたし。
自分の抱えている事情をほんの少しだとしても聞いて知ってくれているひとがいるのは

なんか、こんなふうにほっとするもの…、だったのだな。

なんか今まで知らなかったけど
ふう〜ん、
なんというか…

なんだか有り難いものだなぁと思ったの…。

で、K君と話する機会が増えたわたしに、

Cちゃんが気付いて、はじめは偵察に…そして、別にわたしがK君に特別な感情を抱いてないと知ってからは友達っぽい間柄となり…、

観察と報告の依頼が…彼女からも舞い込むこととなり…。

依頼を遂行してみると、なぜだか、m下先輩のやつより断然、情報の収集も報告もスムーズにどんどんすすむ!

なんか楽しいな、これって…、いわゆる達成感ありってやつかしらん…?!
いや、それよりも、この生徒会室内の淡い気持ちの矢印相関図はなんなんだろ。

AくんはBIさんがたぶん好き…でBIさんは、じつは…FIくんが好きで…なのに、FIくんは…Cちゃんが好き…。CちゃんはK君だけど…こんな風な矢印、他のは全部最後はm下先輩じゃんね〜?あ〜なんかすごすぎて恐いな。

で、男子のほうの矢印はというと、圧倒的に最後はあの理系クラスの…凛っと咲いた花の一輪…「藤紫の君」あの清楚な美人……さんに向かってる
のよね。

いやあ、見事な相関図の把握だな、我ながら…。

しかしじつは…こんなことしてる、そんなわたしを

これまた、じっと人知れず観察していたひとがいた。

『お〜い、〇〇。ちょっとええかな〜?

〇〇さ〜、このごろ□□と、よう話っしょるけど、その後で必ずな〜んかメモっとるやろ。あれ、なんなん? 』

『え…っと… 。そ、れ、…。言わないといけない…かなぁ?』

『いやいや。じ、つ、は、やな。俺にはもう予想はだいたいついとる。たぶんな、Cに関係あるやろ?。
どや、どんぴしゃか?』

『う〜わ、なんで…。え、ほんとになんで?。』

『ははん、そのっくらい、黙って目の端っこからでも見とったら、わっかるわ。

でもな、な、観察するって本当に面白いよな。
いろんなことが見えてくるしわかってくるしな〜。 なかなか大事なことやぜ…。

で、Cに頼まれていろいろ調べさせられよる…訳やろ?なんかKのことで知りたいことあるか?

な〜んか、わからんことあったら…少しくらいなら教えてやってもええぞ?」

「…じつはさ。あのさ、
彼、最近になって文化祭やら生徒会の仕事しながら

突然、応援団の応援歌を、なんだかほんとに唐突に大声で歌い出すようになっちゃったみたいなんだけど…あれって…何なの?なんかの発声練習?』

『ハハハハハ、あれかあ。ふふん。しかたないなぁ、俺、その訳知っとる。

…あのな、あれはな、実はな、 …いやこれはあんまり大きな声では話せんな。ちょっと、〇〇、耳かせ、じつはあれはな…が…で……そんなわけでその彼女の下の名前が高々と同じ〇〇じゃっちゅうわけじゃ、

どうや、謎が解けたか?。』
『あ〜あ、じゃあ彼もじつは藤紫の君のファンのひとりってわけね…う〜ん残念…。

そんな訳があの唐突な応援歌斉唱の後ろにあったなんて … 』

『まあ、な。

こなんしてまわりを観察しとると、なかなかいろんな発見がある。面白いよな〜。

そやけど、やつは、今回の恋ごごろもまず実らんと俺はみとる。』
『え…?なんで?!

…いや、ちょっと待ってよm本くん。いま、あなた今回の恋ごころも…、もってゆうた?
今回も…って…もってことは…。』

『うん、あれ、今年に入ってたぶん〇回目くらいの恋ごころやと思うぞ。
あいつのぅ、好きになる女子好きになる女子、なあんかみ〜んな 他に好きな奴がもうおってしもて…、 しばらくしょげにしょげまわって(←【標準語訳】深く心を痛めて)は

まぁた別の女子に惚れとるみたいなんや〜。』
『え、え。ちょっと待って。そしたら藤紫の君にも、お目当てのひとが、もうおるってことなの?、え?、だって、彼女はいつだって…静かで、クールビューティーで、誰の前でも声が裏がえったり、そわそわしたりなんて…他の女子みたいなこと、絶対、絶対しないのよ〜?!。』

『ふふふん、あんさん、まだまだ腕が足りまへんな。 ま、見とったら、そのうちわかるわ。

Kもなあ!悪いやつやないんやけどなあ〜、 まあ、人の人生は、なかなかに過酷やっちゅうことですわ、

しかし、〇〇、お前はおんなにしては、なかなかおもっしょい奴やな〜。
おんなでそんな、友達の先棒かつぐ奴、はじめてみたわ。

なんていうかな、お前、ほんまにおもっしょい奴やな。見直したぞ。ほなな〜。』

…あ、わたし、いま。

たぶん、

m本くんと
知り合いから「友達」になった。

わたしに「友達」が出来た…。

わたしに、「友達」がでっきょる。いま、わたし、ひとと
「お友達」になっていってる。

猫とか…犬とか…本とか絵とか…空とか、雲とか…花とか鳥とか…、小川とか…、そこに立ってる
木…じゃなくって…。

うわぁ〜い…。こんなの、ひさしぶりだなぁ……。

…まあ、そんなわけだったんです。

かなりこのふたりに
先をこされ、

もう自分なんかは、はるか後方。

それも、じつを申せば
自分のためにKくんが
じつに、すがすがしい誠意と好奇心にあふれた、素敵な「お節介」…というか…

なんかいかんぞ、俺、m脇のためにひとはだ脱いでやろ!

との気持ちの発露のせいで…

ずっとずっと自分より
先にこころの内側のことなんかを分け合われてしまった…そのいきさつを


読んで

そう、じだんだを踏んで悔しがっては、いけませんってば。旦那さま…。
もう、ほんとに困ったひとだな…。