生徒会室の遺跡群

cat-work2302015-10-11

長い間、生徒会室での学習や記憶がわたしのスィートホームスィート。心のベースキャンプだった…ってことは、前にも書いた。

わたしが新しく生徒会室に出入りすることになった…と聞いて、そ〜っと気になる男子の情報収集を依頼してくる女子のひと群。

新入りのわたしに
『お、新顔じゃ。どんな奴がみてこよう〜。』
とやってくるひと。

『あ、ほんまや新しいひとがおるが。なぁ、なぁ君どこ中?(訳→君はどこの中学出身ですか〜?)いま何年〜?なんや同じ2年か。いやなんか、1年生なんかなぁ〜とか思うたもんでさ。そりゃ失礼。で何組のひとなん?』

ともに50歳を超えたわが旦那よ、よく聞きたまえ。
これが普通のひとの
ファーストコミュニケーションの会話です。

ぺーぺーの16・17歳だったって、普通はこういうふうに話しかけるものなんです!。

いきなり本人もいないのに衆目の中
『あの子、気に入ったあ〜!』とか叫んで、走り出したりは、しないの、ま〜ったく!

『あ、文系の現国の〇〇せんせ、のクラスや。

現国はダントツ和田せんせに限るわ。あのせんせの授業ゎほんまに絶品じゃ〜。』

m本くんに誘導され
さすらいの編集長こと
m下先輩から認定されて

生徒会広報の編集の役目をバトンタッチ。にわかな肩代わりチーフとなったわたし。

担当して無事に発行した広報小冊子『みのむしの詩11号』

表紙イラストは
……の……さんの作品だ。
【編集後記】には

ぬくぬくとした場所から
生徒会室に紛れこんだばっかりに、前編集長をはじめあのひとにもまれ、このひとにもまれ、もう日々わたしはどこ?。わたしは誰?状態。身もこころももうボロ布と化す有り様でしたが、無事に発行できました、おもわず、合掌、感謝いたした次第で〜す…。

そんな風なことを書いていて。

そしてみずから名付けた編集名は
『まいごの子猫ちゃん編集人』

…なんだかみごとに後の人生を予告しちゃってる気がします。

そして取材そのほかの仕事を通じて各方面、各チーフとは顔見知りになり、どこでどんな出し物がどんな苦難をへて無事に出展にまでこぎつけたか…、そんな舞台裏のことまで知っている、

『飛翔』がテーマの文化祭がはじまりました。

文化祭委員長のS籐さんがm本くんの最終チェックを受けながらお〜きな鳥?の恰好を仮装して
翼をください』の歌を前夜祭で歌い、

木陰すずしい中庭のステージでm下先輩のギターの弾き語りにキャーキャーゆう女子…
に頼まれ、初めてカメラを握りました。

『これ、ここからじゃ望遠レンズでもつけないと
ダメなんとちがう?』

『え〜っそんな〜、なんとかしてよ〜。』

『な、なんともならないもんだと思う。撮ってはみるけど、ステージ近くまで行かないと…。』

『いや〜っ、そんなの恥ずかしいじゃん!』

…そ、そうですか。

でも、心配しなくてもね〜、いい写真いろいろ出回ると思うんだな。文化祭の後に…。

だって高性能のムチャクチャ高そうないいカメラ、お父さんのを無理いって借りて、写しかたの特訓も受けてきたんだ〜って〇〇さんたち、言ってたからさ…。

そんな中、わたしは気が付いた。

『m脇くん、この頃めったに笑わんようになったわ。もうむちゃくちゃ暗いわ〜。もう、かっちゃんのせいやからね〜。ぜ〜んぶかっちゃんのせいやで〜!』

といわれ、ちょっと悪かったかなぁ〜と気にしていたあやつ、

みれば中庭の客席で

理学部の案内旗もって
満面の笑顔でもって
馬鹿笑いをしているではないか…!。

なぁにが、わたしのせいでもういつでも死にそうな顔しとる…だ。そんなん大嘘っ。だまされないもんね!

バシャバシャっ.証拠写真ゲーット!

そんな風にその年の文化祭は楽しく楽しく過ぎていきました。


さて本当に文化祭が無事すぎてホッとしたのもつかの間、

にわかに、皆が修学旅行の富士急ハイランドやら信州での朝散歩やらでの自由時間をともにする素敵な相手をゲットしようと

はやり病のごとく、あっちでもこつちでも色めき立って…のひと騒動。

ええ、わたしも2件ほど全然知らない男子から申し込みを受けました。

もうね、m脇くん牽制と他の女子からの依頼遂行の毎日でお腹いっぱい。

丁重におことわりをいたしました。

そして修学旅行ではですね、
m下先輩、わたしは他の女子の依頼でですね、

先輩、陸上部なんで、修学旅行の朝も、朝練されてお走りになられましたよね?。

その際に、お踏みになられました草の葉に…二輪草というのがありましていっぱい生えてたのですが…

それを拾って押し花にして依頼者に渡すという…。

そんな自分では絶対にしない、もう悶絶しそうなほどの、乙女乙女したひとの乙女ごころの介添えまでしたんですからね!。
ほんとにわたしって頼まれたら断れないやつだったんだな。
余分にとっといた依頼ののこりの押し花ならぬ押し草のあとが、

先日みたら、生徒手帳にまだ残ってましたよ。まったく。

さて修学旅行、ちょいとすっとばします。
季節は冬、
一学年上の先輩がたの卒業に向けて

卒業文集のあの『玉翠』の編集がはじまりました。

その頃からだったと思います。

あれ?
わたし、いま、生徒会室のほうがほんとのお家みたいになってるぞって思いました。

早朝、まずは生徒会室にいって…部屋のくうきをかいで

ひと呼吸して落ち着いてからクラスの教室に出動して、高校二年生をする。

放課後、生徒会室に『無事帰宅。』

みんなの顔をみながら、あ〜たらこ〜たら、

『あ、印刷機の調子、今日も悪いみたいやで〜』『え〜っそれは困ったな。急がないかんのが、あるんやけどな〜。』

『〇〇せんせに、先週ちゃんとゆうといたのにな〜、なにしょんかいの?』

『そら、せんせにむかって、「ゆうたり」するけんいかんのじゃわ。せんせにはな、やっぱり「申し上げ」んといかんのとはちゃいますかぁ〜?』

アハハ、言えてるね!
あ〜たらこ〜たら。

ああ、残念6時がきちゃう。

やれやれ、またあのお家に…わたくし、ただいまダメな奴なりにいい子になろうと、まあまあ努力しています…の演技をしにか〜えろ。

帰りとうはないけど帰らなしゃあないからな。

そんな具合だった。