息も絶え絶えに、伝言されたこと。

私達、初代のメンバーじゃないの。

へとへとになっちゃって 擦りきれちゃって消滅したり、自爆しちゃったり。

もう六代目か七代目の 私達なの。

大事にしてたはずの期間の記憶を全部なくしてしまってた ことも あるし、

日常でもね、時間やいる場所ややってたこと 飛んじゃうんだよ。あと、子どもがね、子どもがいるんだけど、その子たちの 好き嫌いのこと。食べ物とかお料理とか アニメとかゲームのこと、すぐわからなくなったりするんだ。

あと、アイツ わたしの助け方が わからなくて 知らないうちに、 首や胸をしめつけて痛めつけしまうんだ。

……って ゆうより アイツも大変なことになってってるのに、自覚がなくて 世界のほうがなんか変なんだって 思ってて、わたしだけは ちがうと思ってたのに、キミも結局 あっち側の ひとだったんたねって。

透明なガラスかプラスチック張りの飼育ケース越しに、バカみたいに 疲れて眠りこけながら、遠めがねをさかさに覗くみたいに いまを 眺めてるんだ。

バカみたいに
なっちゃってるんだよ。

でも 自分では
さっぱり わかっていないんだ。


あとを、頼むよ。


私達の、前のひとの記録は あそこ。
私達の、記録。やってみたことや、やっちゃったこと、こうなっちゃった経過のメモは これこれに残しといたからね……。


メモは 言う。


あんたで たぶん 八代目だ。

なんかの縁でさ、
この家に 後妻に来たんだくらいに思って 代々 やって来たらしいの。
むかしっから
七転び八起きって いうよね。

あんたは 成功するかもしれない。
だめなら、次にまわしていいからね。

すっごく すっごくだるくなって
眠り続けて いろんなこと忘れたみたいになりそうになったら

こんな風に 必ず メモ残すんだよ?。

あと、良妻賢母とかってゆうけど


あれ、なんか全然無理だから。
なんかね、私達 普通のひとみたいには
年とれないらしいの。

戸籍年齢の2/3か3/4ぐらいの見当の社会性年齢。
精神の成熟度って そのくらいゆっくりな年齢だって考えたらちょうどいいくらいなんだってさ。

だから 落ち着くのも着れるのも その世代の服だったりする


だけど肉体年齢は ほっとけば普通か普通以上に 身体が弱いし不器用で動かさないからね、老化や病気をし始めたら進行しやすいらしいんだ。
かなり工夫してメンテをしないと チグハグになっていってしまうよ。

一番下の女の子が、まだ小学生なんだ。
上の女の子たちだって

まだ社会には なじめちゃいない。

でも、一番の助けになってくれるはず。

神さまと

空と風と 海とネコたちの
次くらいにね。