木村斉先生の生物の授業…を受けていたから!

木村先生は 先生である前に うちの高校の卒業生で ラフな脱線の 雑学おしゃべりが根っから大好きで。 なんというか 頭がやっぱりエッセイストな ひとだった。

生物の授業のミトコンドリアやら なんやらの説明の合間にも、いろんな話を挟み込んで なさっていらして。

男子と女子の死亡率の違いについて、

これはもう毎年 必ず生徒たちにわざと話すことに
先生はなさっていたのではないかと 今になって思うのだ。

いのちについての授業だった。

御自身からして へそのを を首にまきつけて 産まれていらしたことも、あったろうし、

うちの高校の顕著な特徴であったろう
頭脳的で自意識過剰な多感さ、繊細さと 身体力や 雑多なことの実経験の有り無しに かなり危うくアンバランスな人間が多いってことを

先生は 実際にご自分もそこを通り 見聞きし 触れて
、感じ知って危惧しておられたから。

『……というわけで、ありとあらゆる病気に感染する率に 事故やけがをして死亡する率。 それらの数値が 女子よりも男子のほうが高い というとこまでやったらやなぁ、

センセもなぁ ま、そらそうやろと
納得できたんやけどな……。が しかしやで、

頭の上から何かが落ちてきてやで それで亡くなる率まで 女子より男子のほうが高い。

これには ほんまに驚くんやわ。

つまるところ
男は生まれる時からして『爆弾』を抱えて生まれてくるし女は『救急箱』を抱えて
生まれてくる。

これは ホントのことなんです。

いいですか、女子の皆さん。
将来 誰かと結婚してやな 皆さんが 無事に花も恥じらうお嫁さんとなったりした暁には や。

相手の男が いかに多くの
病原菌やら いのちの危険やらの障害物を潜り抜けてそこまで育って無事に生存してやな 君たちの前に立っとるのか。まさに奇跡のような確率なんや と いうことを

どうか 頭の片隅において 忘れんでやってもらいたい。

さて、と。だいぶ脱線してしもたけど 本題の授業のほうに そろそろもどらないかん。

えーと、いま わたしの目の前にポカ〜んとした顔して座っとるキミ。え〜とコバヤシ君いうんかな。このクラス 教科書は どのへんまで読んだんやったんやったかな? 』