放課後の、木造校舎のすみっこで…(改造済み版/前編)
あの、おそるべし、恋に恋するおんなのこの集団パワーは。結構すごかった…と思う。
『なんの話〜?、なんの話よねえねえ。』
『キャーキャー、あの陸上部のひとでしょ』
『ね、おとなっぽいよねー、うちのクラスの〇〇くんだの、◆◆くんだのとは ダンチ(段ちがいよねの意)だよ〜。』
『だよ、ねー!』
『わたしはなんかヤダな、パス〜。好みじゃないの〜、あ〜ゆうのは』
『はいはい、あんたは理系のO内シンイチロウ様、 ひとすじだもんね〜』
『うふふ、シンさまぁー!』
おんなのこ集団の勘と情報収集とその交換力は、すごかった〜。時には尾ひれがついて大げさな話になってしまうことも
全然ほんとじゃない話が飛び交うこともあったようだけれど。
それまで、わたし自身の内にも周りにもなかった、
未知なる『熱意』と『みんなでもりあがる楽しさ』。
そのはなやかな空気に、すこうしだけれどわたしもまざって、文系クラスのおんなのこの園をちょこっと体験。
みんな元気だなぁーとか、ふーん、どこがそんなにキャーなんだろうかねー、とかいう視点で
どうしてもぬぐえない違和感を感じながら、混ざりきれはしない集団にわたしもまざってみる。