珍妙なるバランスのうえで
いまなら、cちゃんにわたし話せる気がするな。
『お元気ですか?…いま、どんな風に暮らしていますか?
遠い昔の一時だけのことだったから
貴女は…もしかしたら、すっかり忘れてしまったことかも知れないけれど。
なんだかね〜、わたしはあの時…。k君のことで貴女とあ〜だこ〜だ言ってた…時間がね。
すっごく楽しかった。貴重な大事な時間を貴女からもらっていたんだなぁ〜って思うのよ。
なんだかね、他の人とは、あんな風にわたし…話せなかったのよ。
とんちゃんと、h本真理子さんと、k沢真理子さんと。図書室の司書のお姉さん。
ちゃんと何かをお話できたのは
貴女以外には女子では、たったそれだけよ。
何人かのひととは、ちょっと余計なこと言ってしまったりして、上手くいかなかったりもしてたの。
いま考えると、女子度ってものが、全然が足りてなかったのよね。
自分の持ってないものを当たり前に持って…女性に近づいてドンドン成長していってる女の子たち…
…。
うっかり近づいて、自分を卑下したりしないように、
自分で自分なりに傷付かないように工夫してバランスとってもた…そんな気がします。
ホント楽しかったわぁ〜。思いっきりおバカさんな話をして。キャーって。
あなたの、恋する乙女ごっこに付き合って…。
貴女はね、わたしに、夢見るものがある…女の子って、ほんとになんだかね。ほんとに、いいものだなぁ〜って心の底から思わせてくれたのよ。
自分には許されてなかったことだったから…わたし、貴女をわたし自身の代わり
にしてたかもしれない。
あなたは、あの時…
『将来、わたしはスチュワーデスになるつもりなのよね〜!』って言ってたわ。
『〜に、なりたい!』じゃなくて、『なるつもり』だって。
『わたしは、確かにあんまり美人〜ってわけじゃないわよ。だけど、そんなの、後でお化粧かなにかでくふうすれば、な〜んとかなると、思うのよ〜。
知ってる?スチュワーデスになるにはね、必要な条件ってものがあるの。わたし、身長と体重の条件なんかは、もうとっくにクリアーしてるの。
あとは、英語と、とにかくアタックしてみて、当たって砕ける度胸だけ〜!』
…はぁぁ。
なんて具体的な、情熱と将来設計。
ホントに圧倒されました。羨ましかったなぁ。
クラスは…確か1度も同じにならなくて。
わたしとk君との間に距離が出来てからは、貴女と話す機会
もなくなってしまった。
惜しいことしちゃったなって、なんだか今でも思っています。』
k君には、悪いけどね、格段にわたしには、あなたとの会話や間柄のほうが…重要だったのよ…。
貴重でした、あなたの元気で楽しい片思いが最高…的恋の満喫主義。あなたへの義理のほうが、もう数十倍も〜!。